プラズマガス選択の写真付きガイド

マルチガスプラズマトーチに最良のガスを選択する方法

投稿日 2016/11/16
投稿者 Hypertherm

多くの金属加工業者が「デュアルガス」または「マルチガス」性能が搭載されたプラズマシステムを選びます。これは、様々な用途に様々なプラズマおよびシールドガスを使用できることを意味します。マルチガストーチは、広範な材料を切断するショップに最も優れた柔軟性を提供します。切断品質、部品寿命、生産性、そして全体的な運用コストのバランスを最も良く達成するため、材料の種類や厚さに合わせて異なったガスを使用します。ほとんどのプラズマシステムの説明書には、オペレーターが混乱するほど数多くの切断条件表やガスの種類が記載されています。この記事の目的は、各ガスの利点と欠点に関する簡単な概要と、軟鋼、ステンレス、アルミという 3 種類の最も一般的な材料の切断に推奨される「最良条件」を説明することです。

切断サンプルの例エア

エアは最も汎用性に優れたプラズマガスで、軟鋼、ステンレス、およびアルミに優れた切断品質と切断速度を発揮します。また、エアは特別なガスを購入する必要がないため運用コストを削減します。ただし、エアは無料ではありません。ショップエアは、粒子、オイルミスト、湿気などの汚染を取り除いて浄化しなければなりません。エアプラズマシステムに最善のソリューションは、適切なサイズの専用エアコンプレッサー、冷蔵エアドライヤー、そして粒子、オイルミスト、および残された湿気を取り除くフィルターです。エアプラズマのもうひとつの懸念事項は、切断端面の溶接性です。エアプラズマでは切断表面にある程度の窒化や酸化が起こりますが、これが溶接の多孔性の原因となることがあります。通常は、窒化防止剤と酸化防止剤が入った質の良い溶接ワイヤを使用するだけでこの問題を修正することができます。汎用性、優れた速度、低いドロスレベル、スタート回数 600 回までの部品寿命から、エアは多くのショップに最適なオプションとなります。エアプラズマを使用する場合は、エアシールドガスが最適な選択肢となります。

酸素

酸素はプラズマガスの中で最も優れた切断品質と切断速度を実現できることから、軟鋼の切断では業界標準となっています (ステンレスまたはアルミの切断には酸素プラズマガスの使用は推奨されません。)酸素プラズマガスは炭素鋼に反応して細かい溶解金属のスプレーを発生させます。これらの小滴は表面張力が低くなっています。この溶解金属のスプレーはカーフからより簡単に放出されます。酸素の欠点は、ガスのコストと消耗部品寿命です。ただし、最先端の酸素プラズマシステムでは、酸素プラズマに不活性の開始ガス (窒素など) を使用して、窒素またはエアシステムと同様の部品寿命を達成しています。これらのシステムの部品寿命はスタート回数 800~1,500 回です。消耗部品およびガスのコストの増加は通常、ドロスを除去したり開先部品を真っ直ぐにするといった、費用のかかる二次作業の減少により相殺されます。酸素プラズマには通常エアシールドを使用します。

窒素

窒素は、ほとんどの従来型プラズマトーチに使用されていました。多くのアルミやステンレスを切断する場合は、現在もこれが最良の選択肢です。切断品質と部品寿命も優れています (通常はスタート回数 1,000 回以上)。ただし、プラズマシステム能力の上限となる厚い材料 (通常は 1/2 インチ以上) を切断する場合は、アルゴン水素に切り替えます。一般的に、窒素プラズマの使用に最適な二次ガスはエアです。二酸化炭素 (CO2) も優れたガスで、酸素よりも表面仕上げ、切断速度、部品寿命がわずかに改善されます。ただし CO2 はエアよりも費用がかかり、十分な流量を得るために複数の多種ガスボンベまたはバルクシステムが必要となります。システムが対応できる場合、窒素プラズマに使用できる優れた二次物質は水です。ステンレスやアルミにおいて非常に滑らかな輝きのある切断面が得られます。水は、ウォーターテーブルと使用しなければなりません。

アルゴン水素

アルゴン水素は、厚い (1/2 インチを超える) ステンレスやアルミの切断に優れたガスです。通常使用される混合比は水素 35%、アルゴン 65% (H-35) です。アルゴン水素は、最も高温で燃焼するプラズマガスで、最大の切断力を発揮します (アルゴン水素は、最大 1,000 アンペアで最大 6 インチ厚のステンレスを切断するウォーター インジェクショントーチに使用されます)。マルチガストーチでは、アルゴン水素はステンレスの切断において、真っ直ぐな切断と非常になめらかな、まるで研磨されたような表面を達成できます。底端に沿ってわずかなギザギザのドロスが発生することがあります。通常、アルゴン水素のシールドガスには窒素を使用します。この組み合わせの欠点は費用が高いことです。

プラズマガス選択の写真付きガイド:

プラズマガス/シールド軟鋼ステンレスアルミ
エア/エア 優れた切断品質/速度、経済的 優れた切断品質/速度、経済的 優れた切断品質/速度、経済的
酸素 (O2)/エア 優れた切断品質/速度、超低ドロス 推奨されません 推奨されません
窒素 (N2)/CO2 平均的な切断品質、わずかなドロス、優れた部品寿命 良好な切断品質、優れた部品寿命 優れた切断品質、優れた部品寿命
窒素 (N2)2/エア 平均的な切断品質、わずかなドロス、優れた部品寿命 良好な切断品質、優れた部品寿命 良好な切断品質、優れた部品寿命
窒素 (N2)/H20 平均的な切断品質、わずかなドロス、優れた部品寿命 優れた切断品質、優れた部品寿命 優れた切断品質、優れた部品寿命
アルゴン水素/N2 推奨されません 厚さ >1/2 インチに最適 厚さ >1/2 インチに最適

 

結論:

使用する最良のガスは、切断品質、生産性、および運用コストという主な 3 つの検討事項に左右されます。

  • 軟鋼の場合、最良の切断品質、最小のドロス量、最小限の再加工、優れた溶接性、および最高の切断速度/生産性を得るためには、酸素プラズマとエアシールドガスを使用します。
  • 1/2 インチ以下のステンレスとアルミで最良の切断品質を得るには、切断品質と価格/費用のバランスに優れた窒素プラズマとエア二次ガスを使用します。わずかに優れた、より高速な切断には CO2 を二次ガスとして使用します。システムが対応できる場合は、ウォーターシールドを使用すると最も優れた切断面を得ることができます。
  • 厚みのあるステンレスやアルミで最も優れた切断品質を得るには、アルゴン水素と、二次ガスとして窒素を使用します。警告:ご使用のシステムに、アルゴン水素ガスを使用した安全な操作に対応できる機能が装備されていなければなりません。
  • ほとんどの経済的な切断には、浄化され、乾燥した工場エアが、軟鋼、ステンレス、アルミに最適な選択肢となります。
投稿日 2016/11/16
投稿者 Hypertherm