CNC 切断システムを購入する、自分で構築する、または既存の機器をアップグレードする場合でも、システムの動作性能は全体的な作業成功の重要な要素です。部品の品質や整合性となると、マシンの動作は最適な切断システムの選択に劣らず重要となります。マシンの動作は、True Hole® や True Bevel など、切断機能や応用能力にも影響します。すでに設置済みのマシンについては、それぞれのマシンがどのような用途に対応できる設計になっているかを知ることは非常に重要です。

動作品質の決定要因

通常、プラズマシステムやその他の切断機は特定の機能を念頭に設計されています。

  • 用途 - 厚い板、HVAC、開先、多機能、構造要素などに使用するシステムか。
  • 生産性ニーズ - 複数の切断ステーション、複数の板、高速移動、またはその他の製造要件に対応できる必要があるか。
  • 求められる切断品質 - 精密部品、ボルト穴、スロット、切り欠き、または複数タイプの作業の組み合わせに使用するシステムか。

これは必ずしも、1 台の機械で数多くの作業をうまくこなすことはできないという意味ではありません。  重要なことは、機械メーカーと協力して各自の切断ニーズに適切な機械を構成する必要がある、ということです。

動作品質は絶対的なものではありません。異なった機能、そして異なったレベルの切断品質と生産性を達成するには、異なったレベルの動作品質が必要とされます。低い動作品質 (通常はより低価格) が許容される場合もあれば、優れた品質が必須とされる場合もあります。マシンの動作品質は、お客様の事業ニーズに適したものである必要があります。

機械的な要素の考慮

機械的な要素として、切断機には多くの様々な種類のガイドウェイを装備することができます。V タイプ、バーストック、リニアは一般的に使用されているガイドウェイのほんの一部です。様々なガイドウェイの違いを理解する必要があります。たとえば、密封ベアリングのリニアガイドウェイは、回転ベアリングや車輪より摩擦が高くても、通常の使用ではより整合性があり、最も優れた精度の高い切断品質が得られる上に、メンテナンスがほとんど、もしくはまったく不要です。

機械構造の質を示す優れた指標のひとつは、機械の慣性が克服された後にドライブを解除した状態で、どれほど簡単にマシンを押すことができるかです。うまく設計・製造されていないマシンは押すことが困難です。これは、速度の加速、維持、および方向の変更に、さらに多くの力が必要となることを意味します。「摩擦を減らすこと」やガントリーの駆動に必要な力の量を最低限に抑えることは、従来重要な設計要素と考えられていましたが、今日機械メーカーは、優れた切断品質には一貫した動作を維持できるモーターやギアが搭載された、適切なサイズの駆動システムがより重要であることを認識しています。

もうひとつの一般的な基準である頑丈さも、また誤解されやすい要素です。実際にはマシンが頑丈すぎるといった場合もあります。頑丈で硬すぎるマシンは重く、加速が困難になる傾向があります。硬すぎるマシン、ボックス、トーチリード、およびケーブルは急な角に入るときや出るときに振動することがあり、その振動の影響が切断された部品に見られることがあります。頑丈さが望まれるのは、モーター、ギヤボックス、ラックまたはボールネジ間の機械的な接続部です。これらの接続部が頑丈であればあるほど、マシンの加速が容易になります。

マシンに装備されるドライブシステムの種類もまた重要です。エントリーレベル、DIY 向け、および少量生産用マシンでは、作業に見合った品質であることから、低価格な「オープンループ」システムが一般的に使用されます。これらのシステムにはフィードバックループはなく、そのため切断中に速度や位置を調節することは不可能です。マシンからのフィードバックに基づいて速度や位置を調節できるクローズドループシステムは、一般的に工業、商業、および生産環境で使用されます。これによって、さらに予測可能な切断が可能となり、より精度の高い部品と、すべての部品のネスティングにおいて、より優れた整合性が得られます。

アナログ対デジタル

アナログドライブは、今日も広く使用されており、精度の高い性能を発揮しますが、現在は SERCOS (Serial Real-time Communication System)、EtherCAT® (Ethernet for Control Automation Technology)、および PROFINET (Process Field Net) などのデジタル自動化に移行する傾向があります。これは、動作品質というよりは、工場の自動化と広範な用途に対応できる普遍的なソリューションが重視されてきているためです。

アナログドライブとデジタルドライブのいずれにも、極めて高い解像度のフィードバック装置を搭載することができます。場合によっては、移動距離 1 インチ当たり 100 万回という、極めて高い精度の切断を達成することが可能です。

ドライブとモーターの適切なサイズ

どのドライブ技術またはブランドを使用する場合でも、マシンメーカーは、マシンに適切なドライブとモーターのサイズを判断する必要があります。一般的に、より大きなマシンには、より強力なモーターとドライブが必要となります。慣性もまた考慮すべき要素です。方向を転換するときに、モーターにはそれ自体の慣性を克服し、ドライブトレインを逆転させ、機械の慣性を克服する十分な力が必要です。適切に設計されたシステムでは、ドライブのパワーは慣性を克服し、マシンの重量を加速するのに必要な力に一致します。

ギヤは機械的なメリットを得るために使用することができます。ギヤの減速は、モーターの有効トルクを増加させる効果がありますが、高速度が犠牲になります。用途の目標加速度率と速度を達成できる、費用効率のよいドライブ/モーターのサイズとギア減速を使用することがマシン設計の目標となります。プラズマの場合、通常は加速度率 20~40 mG、移動速度は約 1,000 インチ/分となります。

マシン動作および切断プロセスに関連する重要点

本来は旧世代のプラズマシステム向けに設計された旧式の切断機を改造して、新しいプラズマシステムを装備することがよくありますが、期待外れの結果となることがあります。旧式の切断機に使用された部品は、新しいプラズマシステムには外見的にも似合いません!期待外れとなる理由

旧式のプラズマシステムによって隠されていた切断機の振動や機械的な問題が、新しいプラズマシステムのより優れた切断品質によって明らかになる可能性があります。旧式のプラズマシステムを先端の太いフエルトマーカーとして、また新しいプラズマシステムを先の細いシャープペンシルとして考えてみてください。テーブルにごくわずかな振動があった場合、先端幅が広いマーカーでは問題に気づかない可能性があります。これは、同じ切断機を使って酸素からプラズマ切断に切り替えたり、旧式のプラズマシステムをより新しい HyPerformance® システムにアップグレードしたときにも発生します。いずれの場合も、マシンメーカーが最善のソリューションを提案することができます。

動作品質に影響するその他の要因

重要であるにもかかわらず軽視されがちなのが、切断機に工業用としての耐久性があるかどうかという点です。高性能なマシンとエントリーレベルのマシンの切断品質を見極めることは、両方のマシンが新品である場合は困難かもしれません。ただし、構造や切断品質の違いは、時間と使用とともに明らかになります。

「バックラッシュ」とも呼ばれる動作の欠損は、低品質のギアボックス、ピニオンの噛み合い問題 (ラックアンドピニオン式システムの場合)、ピニオンおよび/またはギアラックの過度の摩耗や整備不良が原因であることがあります。ボールネジシステムは、より頑丈な代替策ですが、長さに制限があります。

CAD および CAM システムもまた動作品質に影響します。スキャン済み画像や芸術的な部品は切断システムにアップロードする前に編集が必要となります。CAM システムは、CNC に達する前にプログラムをフィルターし、画像を滑らかにすることで、この問題の対処に役立ちます。

部品の形状も、動作そのものというよりはコントロール機能の問題ですが、マシンの動作に関与する場合があります。特定の部品形状が特定のマシン上でどのように動くかを理解することで、部品をどのように描くか、また究極的には特定のマシンで何が可能かを判断することができます。非常に優れたコントロールを使えば、他のコントロールでは衝突や振動の原因となるような状況に対処することができます。問題に対応できないコントロールの場合は、機械を減速したり、コーナーループを使用することが部品の後処理に役立つ可能性があります。

最後に、マシンの適切なメンテナンスを行うことが重要です。機械部品は摩滅します。トーチの衝突や、その他の問題が発生します。定期的なメンテナンスによってこれらの問題に事前に対処することは、切断機の全寿命期間にわたり優れたマシン動作を確保するために役立ちます。