PAC システム - スタート時の問題

投稿日 2016/11/16
投稿者 Hypertherm

警告:PAC システムのメンテナンスと修理は、電気の問題解決に熟練している個人が行ってください。PAC システムは高圧直流 (DC) 電力を使用します。感電により負傷や死亡事故が発生する危険性があります。

状態

電源装置が加圧され、安全および部品配置インターロックやトーチのガスプリフローが正常で、トーチがトランスファー距離内にあるなど、他の通常操作条件がすべて正しくても、トーチが切断アークを開始できない。

典型的な PAC システムの動作順序は以下の通りです。切断開始信号が電源装置に送られ、システムが加圧されます。ソレノイドが開き、ガスがトーチに流れます。パイロットアークリレーがラッチ動作し、ノズル (+) と電極 (-) 間に無負荷電圧 (OCV) を起こします。高電圧発生器によって、3,000~10,000 V AC の出力で高周波 (HF) スパーク (図 1 を参照) がトーチに供給されます。高周波発生器には通常、高電圧変圧器、コンデンサー、スパークギャップアセンブリ、およびコイルが含まれます。

高周波スパークがトーチに流れるガスをイオン化して、導伝状態になると、イオン化されたガスにより、ノズルと電極間に電流が流れるようになります。この電流は、パイロット抵抗器により 20~40 A DC に制限されます。オリフィスからアークが吹き出し、ノズル表面に再び接触して、パイロットアークが発生します (図 2 を参照)。

パイロットアークによって、材料への電気経路が形成されます。トーチがトランスファー距離内 (通常は材料から 0.25~0.50 インチ) にある場合、材料は DC 回路の正極に接続されて抵抗器によって制限されないため、材料へのパイロットアークのトランスファーが発生します (図 3 を参照)。電流検出回路によってアークトランスファーが検出され、HF 発生器を遮断し、パイロットアークリレーを開きます。

簡単に言えば、トーチにパイロットアークを発生させるためには、パイロットガス、DC 電力、AC 高周波数という 3 つの要素が必要となります。ひとつでもかけていると、トーチは発炎せず、トランスファーも切断もできません。

 図 1 - 高周波 (HF) スパーク  

図 1

図 2 図 3

 

スタート問題の解決

スタート問題が発生した場合、オペレーターはまずパイロットアークを点検します。トーチを材料から数センチ上げ、トーチがはっきりとよく見えるようにします。次に、トーチを点火します。数秒間ガスが流れると、トーチにパイロットアークが発生するはずです。健全なパイロットアークは、エアで数秒間は単独で燃焼します。アークの明るい青白い部分がノズルの端から 0.25~0.50 インチ延びていることを確認します。アークは分割したり、飛び散ったり、かすれる音がなく、滑らかで安定している必要があります。パイロットアークを空中で数回テストし、繰り返し同じ状態になるか確認します。

 

問題 1:スタートの困難

パイロットアークが分割したり飛び散ったり、断続的に発炎する場合は、スタートの困難が問題である可能性があります。スタートの困難は、HF が電極とノズル間の高圧バリアを排除できない場合に発生します。これは、HF の不足または過度のガス圧が原因である可能性があります。以下は、スタートの困難を解決する 4 つのステップです。

ガスの圧力と流量をチェックします。プラズマガスの圧力または流量が、工場が推奨する設定を超えないようにします。プラズマチャンバー内に過度の圧力があると、HF スパークがギャップを超えることが困難になり、パイロットアークは完全に点火する前に吹き消されてしまいます。スタートできない主な原因は、高いガス圧力ですが、頻繁に見落とされることがあります。パイロット回路内のすべてのコンポーネントを交換してしまう場合がありますが、実は空気の圧力が高すぎるだけという可能性があります。

ガスや電力をトーチに送るホースやワイヤーを手入れし、目に見える損傷や接続のゆるみがないか点検します。シールドがごみや金属粉塵、湿気で覆われていると、高周波エネルギーが消散してしまう可能性があります。エアダスターを使ったり、きれいな布でふき取って、リードを手入れします。リードからコイルを排除します。コイルは大きなインダクタンスの原因となることがあります。リードを切断機から絶縁します。

スパークギャップアセンブリを点検し、手入れして、ギャップを再調整します。通常、高電圧発生器からの高周波はコンデンサーに送られ、スパークギャップアセンブリ全体に電気を放電します。時間の経過に伴ってスパークギャップの電極が劣化したり、金属粉塵やごみで汚染されることがあります。メーカーの仕様に従って、電極を手入れし、ギャップを再調節します。ギャップは、システムに合わせて 0.015~0.030 インチにします。

水冷式トーチを使用している場合は、クーラントの抵抗率をチェックします。ほとんどのシステムでは、10 キロオーム/cm または 10 ミクロオーム未満である必要があります。

 

問題 2:トーチのスパークが弱い青色

トーチにスパークが確認できるものの、スパークギャップ点のスパークに似た小さい青色で、その後パイロットアークには高周波数はあっても DC 電力が流れない原因は、接点の摩耗、パイロットアークリレー内のコイルの不良、またはパイロット抵抗器の故障が原因である可能性があります。

 

問題 3:トーチまたはスパークギャップにスパークが見られない

高圧発生器に AC 電力が流れない。高圧発生器の故障、コンデンサーの故障、スパークギャップアセンブリの短絡 (ショート) または損傷。

 

問題 4:

トーチにスパークがなく、スパークギャップにはスパークが発火、重度のスタートの困難 - 問題 1 を参照してください。トーチリードが短絡またはオープン。トーチ本体の接続が短絡またはオープン。

投稿日 2016/11/16
投稿者 Hypertherm